複数のリクルーター(転職エージェント)との付き合い方

LinkedInのプロフィールが充実し、つながり(connetion)が増えてくると、複数のリクルーター(このページでは、転職エージェントの意味)からメッセージが届くようになります。

リクルーターは星の数ほどたくさんいるだけに、その質は玉石混交です。玉(優秀)と石(ボンクラ)の比率は1:9ぐらいです。石に頼って転職活動すると、時間を無駄にし、転職のチャンスを逸します

ここでは、リクルーターと付き合いながら石から玉に乗り換えていくノウハウをお伝えします。

転職活動していない間のリクルーターへの対応

筆者は、転職活動していない間は、リクルーターからのメッセージには、「関心ありません(Not interested)」テンプレートの文面そのままで返しています。彼らからのつながり申請もほとんど「辞退(Ignore)」しています。

転職活動していない間にも玉と出会う可能性は当然あります。しかし、これまでの筆者の経験では、転職活動していない間につながったリクルーターとの縁をうまく活かして転職したことはありません。

リクルーターがメッセージをくれたり、つながり申請してきたりするのは、そのタイミングで持っている案件を成約したいからです。したがって、タイミングを逸してしまうと、彼らはあなたのプロフィールの印象を忘れているはずです。

また、本当に優秀なリクルーターの場合、転職していない間につながり申請を「辞退(Ignore)」したり、「関心ありません(Not interested)」と返信したりしても、その人のプロフィールを見て「最近リクルーターのつながりが増えている=転職活動のサイン」と見て、再び連絡してきます。実際、筆者は、こういう優秀なリクルーターのお世話になって転職したことがあります。

転職活動中のリクルーターへの対応

いったん転職活動を始めたら、リクルーターからのメッセージをよく見て、関心のある案件に対しては、「関心あります(Interested)」テンプレートの文面を使って返信します。

リクルーターからのつながり申請は、最初の玉と石のふるい分けポイントです。玉っぽい石も拾ってしまうことは避けられませんが、筆者は以下の判断基準を持っています。

「承諾(Accept)」(玉の可能性がある)

  • メッセージ文面に、こちらの関心のある案件が書いてある
  • メッセージの文面が丁寧、かつこちらの関心のある業界・業種を対象にしている
  • メッセージの文面に書いてある案件に関心がないものの、こちらのプロフィールをよく読んでいることが伝わる

「辞退(Ignore)」(石の可能性大)

  • メッセージの文面から、どんな案件を持っているのか、またはどんな業界・業種に詳しいのか読み取れない(そのくせ、電話で話を聞かせてほしいと書いてくる)
  • メッセージの文面に、自分に無関係な業界・業種の案件を書いてくる(=こちらのプロフィールを読まず、ヘッドラインだけで判断している)
  • メッセージの文面に書いてある案件に関心がなく、かつ文面が誰にでも使えそう(=こちらのプロフィールを読まず、他の候補者にも同じ文面で絨毯爆撃している)
  • メッセージなし

なお、上記のふるい分けができるのは、プロフィールがCV(英文レジュメ)並みに充実していることが条件です。プロフィールがスカスカであれば、玉リクルーターは連絡してこないので、石リクルーターを呼び寄せるだけです。先にプロフィールを充実させましょう。

つながったリクルーターへの対応

つながり申請を承諾(Accept)すると、たいてい「電話で話したい」というメッセージがきます。その場合には、リクルーターとの電話をアレンジしましょう。

リクルーターとの電話は、第2の玉と石のふるい分けポイントです。筆者は、以下の判断基準を持っています。

玉リクルーター

  • こちらのプロフィールの延長線上で、手持ちの案件を提案してくる
  • こちらのプロフィールに書いていない情報について的確に質問してくる
    • 希望年収、転職時期、関心のある会社、業界、職種などは当然として、特に優秀なリクルーターは「こちらの専門性(expertise)」を見極める質問ができる
  • 手持ちの案件と折り合わない場合でも、次のアクションを明確にしてくる
    • 彼らのクライアントへの問い合わせ、Job Description(求人票)の取り寄せなど

石リクルーター

  • 特に案件を持っていない
  • こちらのプロフィールに書いてあることを質問してくる
  • 次のアクションのアイデアがないか、そのレベルが低い
    • クライアントのリストだけで求人票もなしに「興味のある会社を選んでください」というボンクラもいる

ここで「石」判定したリクルーターは、LinkedInでつながりを削除しましょう。

案件を紹介してくれたリクルーターへの対応

案件を紹介してくれたリクルーターから最初に言われるのは、「最新のCVください」です。LinkedInを英語表示で使って入れば、LinkedInのプロフィールからCVを作成してPDFに書き出す機能が使えます。

リクルーターにCVを送ってから、リクルーターからの返信を待つまでの間が、第3のふるい分けポイントです。

玉リクルーター

  • 求人企業のJD(求人票)の取り寄せ、求人企業との面談のアレンジ(または書類審査落ちの連絡)を1週間以内に返してくる

ニセ玉リクルーター

  • 求人企業のJDの取り寄せに1週間以上かかる場合には、そのリクルーターが現在の採用担当者と直接の接点がない可能性がある
  • 求人企業との面談のアレンジ(または書類審査落ちの連絡)に1週間以上かかる場合は、そのリクルーターが古い手持ちJDでこちらを釣ってきた可能性がある

上記のアクションに1週間以上かかったら、その案件については、ニセ玉リクルーターから別の玉リクルーターに乗り換えてもよいでしょう。

まず、別の玉リクルーターにその案件を持っているか訊いてみます。もし持っていれば、ニセ玉リクルーターには、

その会社のことは諦めたから、問い合わせをやめていただけませんか?(I’ve given up on that company, can you please stop asking them?)

と伝えて、ニセ玉が手を引いたことを確認してから、玉リクルーターに頼んでみましょう。

以上の3ステップで、玉石混交のリクルーターの中から玉を選り抜くことで、有効な転職活動ができます。

参考

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