東工大の丸山先生の地球温暖化と寒冷化、東大住先生の地球温暖化と気候モデル、東大田近先生の全地球凍結について、塾長の松井先生が補足、解説された。
丸山先生の講義のポイントは、「この50年の気温上昇が異常なのか?」という点。そこで問題になるのが、何をもって古気候の温度計とするのか。
丸山先生は、一本の縄文杉の年輪に含まれる炭素同位体δ13Cの量がそれに使えると考えて、まず近年の量を半年単位で計測し、それが実際の気温変化と合致することを検証しようとされている。
もし合致したら、それが古気候の温度計として使えると言えることになり、この50年の気温上昇が必ずしも異常とは言えないことになる。
住先生のところでは、地球温暖化の気候モデルで、どんなシミュレーションができるかは分かったが、「そもそも気候モデルとは何か」については、分かったような分からないような。
田近先生のスノーボールアースについては、「地球がどのような理由で全球凍結したのか?」「全球凍結後の生物の進化を考えると凍結の度合いにムラがあったはずで、そのムラがどのようなものだったのか?」など壮大なミステリーだった。 → 参考)凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語 (新潮選書)
このクールを振り返ると、つくづく「人間は現代の科学をもってしても地球についてはわからないことだらけだ」と思い知らされた。
さらに人間の技術をいくら駆使しても、地球のダイナミズムには勝てないことを痛感した。最も重要な真実は、
地球の資源量を越えるような人間活動は持続不可能であるということだ。