2009年にカタールで始まった砂漠緑化実証事業の「サハラ・フォレスト・プロジェクト」。
「エネルギー・食糧・飲料水の生産」と「雇用創出」を狙う夢のプロジェクトだ。
コアコンセプトは、砂漠に海水を引き込むインフラづくり。メガソーラーで発電し、その電力で海水を汲み上げる。その海水を利用した水冷式ビニールハウスで作物を育てる。さらに海水から灌漑用や飲用となる淡水と塩を作る。
このプロジェクトには、「砂漠での食糧やエネルギーの生産」と「作物によるCO2隔離」という2つの特長が謳われている。
野菜や穀物で吸収できるCO2の量はわずかだろう。だが、砂漠地帯の国々は食糧自給率が低いため、自国で食糧生産ができるメリットは大きい。また、商用規模に展開されれば農作業のための雇用が期待できる。
このプロジェクトの中心メンバーは、ノルウェーのBellona財団、ノルウェーの肥料メーカーYara、その合弁のカタールの肥料メーカーQafcoである。Yara、Qafcoともに大手肥料メーカーであることから、このプロジェクトには「砂漠における食糧生産キット」の開発という側面があるかもしれない。
コストにしかならない地球温暖化対策は国費によってしか動かないため、なかなか進展しない。むしろ、このような商売のにおいのする話のほうがリアリティがある。
民が主体の環境事業は収益性を見込んで仕組みを作っていくため、長続きしやすく、広がりやすい。もしかすると、費用対環境効果は官主導の環境事業よりも高いのではないだろうか。
私もこのようなワクワクするビジネスを企画、開発してみたい。
参考)Sahara Forest Project - Qatar
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